セバスちゃんの
なまらの国から 2007 えっ?ログ
南米かっ!トリップ B 〜アグア物語〜
旅にトラブルはつきものである。 でも、なぜかボクの海外トリップには、そのトラブルがとてつもなく頻繁に付きまとう。それも結構大きめのやつが。 海外に滑りに行って、雪がない、ヘリが飛ばない、スキー場が閉まっている、9日間の日程で1日にしか滑れな〜い、なんてのはまだカワイイほうで、時には帰国できない、命が危ない!なんてのも混ざってくる。。 まぁ、それも運命と言ってしまえばそれまでだが、このトラブルが旅の思い出をより印象深いものにするのもまた事実である(負け惜しみ?) で、今回ももちろんそのトラブルたちは否応なくやって来た。 Agua -アグア- スペイン語で水という意味の言葉だが、今回のトリップで僕らがもっとも強く印象に残り、そしてもっとも多く使ったコトバである。。。 ボクらが滞在するマラルゲの街から、ラスレニャス(スキー場)までは、高級車で50分、ボロ車で90分ってところだろうか。 他の南半球のスキー場と比べたら、アクセスロードはまだましなほうだけど、それでも長いしあまりカンファタブルじゃない。旭川の町から旭岳までの道がすべてガタガタ道みたいな感じかな。えっ、わかりづらい? もちろんボクらの車はボロ車!(サンチアゴ、ごめ〜ん) そしてドライバーは、悪者顔も心は純粋なマラルゲっ子、アドリアーノ。 彼が毎朝8時にホテルに迎えに来てくれて、指定した帰りの時間までスキー場で待っててくれるのだが、事件は初日から起こった。。。 スキー場について荷物を下ろしてると、どこからとなく足下に水が流れてきた。朝から雪解けかよっ!と思いその流れを追っていくと、なんとボクらの車の下から水がダダ漏れ状態・・・。 えっ、これってラジエーターのクーラント(冷却水)じゃない?? 「アドリアーノ、これヤバイよ〜!!」 彼は荷物を下ろしながらチラ見したが、でもそのなの関係な〜い!的なノリで、笑顔で親指を立てやがった。 やべ〜 コイツ全然わかってね〜っ。。その笑顔からして、彼は全く状況を把握していなかった。 まっ、いずれわかって帰りまでには直してるんだろうと思い、夕方駐車場に戻ってくると、車の前に水の入ったペットボトルが数本並んでた。。 え"〜〜っ? ホント、え"〜!! である。で、案の定、帰りはオーバーヒートする前に、道路脇に車を止めてはアグアタイム。 手持ちの水がなくなると、川から水を汲んでくる。そんなこんなで今日は結局20アグア。20回も止まるなよ!!って感じです。 もちろん、翌日の行き帰りもアグア祭り。っていうか、直せよ!! と言いたい所ですが、まぁこれもお国の事情ってもんがありますから、旅(トラブル)なれたボクらは紳士的に現状を受け入れ、このトラブルを思いっきり楽しむことにしたのでした。 最初は申し訳なさそうに、止まるごとに小さな声で「アグア」と言っていたのが、ボクらの楽しんでいる様子を見て、徐々に誇らしげに、しかも親指を立て、笑顔で『アグア!』というようになってきた。 しかも、このアグアタイムに便乗して、普通では通り過ぎてしまうよなマニアックなシーニックポイントまで見せてくれるようになった。 かわいい奴である。 結局、このアグア祭りも、3日目を迎える前に車が工場行きになってしまい、無事?終了。まぁ当然の結果だけどね・・・ でも、彼の『アグア』が聞けないとなんとなく寂しい、そんな気持ちにさせた、行き帰りの出来事でした。。。
25.Aug - 02.Sep
右がアドリアーノ、左が同僚のネイサン。二人並ぶとどう見てもテロリストである
あまり見たくない光景だが、広大な大地と透き通る青空が、ボクらの危機感を消してくれた
ここまできたらアグアタイム!
最初はオドオドしながら給水してたが、2日目はだいぶ手馴れてきた
なんて牧歌的なトラブルなんでしょう。。。
photo: seba, kiranger,
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